心理検査について
心理検査は、主に知能検査と人格・性格検査に別れます。
知能検査では、知的能力を示すIQ値がわかるほか、認知傾向、得意-不得意の傾向を確認することができ、生活上の困難さの背景にある要因を推察していくと共に、今後の生活を送る上でヒントになることが浮かび上がってきます。
まず、IQの分類は次の表のようになります。
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IQ | 分類 | %(理論) |
---|---|---|
130以上 | 特に高い | 2.2 |
120~129 | 高い | 6.7 |
110~119 | 平均の上 | 16.1 |
90~109 | 平均 | 50 |
80~89 | 平均の下 | 16.1 |
70~79 | 境界線 | 6.7 |
69以下 | 特に低い | 2.2 |
IQ69以下は知的障害と判定されることになりますが、境界線水準のIQ70台では不適応行動に繋がりやすく、生活上の困難さを伴いやすくなります。ASDなど発達障害の診断を受けた上で、生活上の困難さなどの様々な要因を加味して療育手帳を取得する場合もある一方、支援から漏れてしまう可能性もある“境界線”でもあります。
また、IQ80台は、通常、問題なく暮らしてはいても、場合によっては状況に対する適応が悪くなってしまう部分もみられる能力水準といえますので、相談できる相手や助けてくれる人の存在などの対人的なつながりの有無が社会適応に大きな影響を及ぼします。
また、IQ値が平均以上の場合であっても、言語性IQ(聴覚的能力)と動作性IQ(視覚的能力)のバランスの悪さにより不適応となってしまう方、聴覚的な能力は平均的で理解力は優れていても、聞き取りの弱さや記憶の弱さが原因となってその理解力を生かせなくなってしまう方、視覚的に不注意傾向が強く、見えていても情報を的確にキャッチできずに場面状況の認識が周囲とズレてしまいやすくなる方など、様々な特徴を確認することができます。
人格・性格検査では、行動面の特徴的傾向を確認することができます。物事をどのように捉えがちなのか、こだわりや衝動的な傾向、困ったときに攻撃的になるのか内にこもってしまいがちなのか等の行動傾向の特徴を整理していくことができます。
当院におきましては、医師の診察の上、必要に応じて心理検査を実施しておりますので、検査のご希望がありましたら、気兼ねなくご相談ください。